ディズニーに投資するのはオリエンタルランド(4661)だけ?舞浜のオフィシャルホテルを所有するJ-REIT 4選

REIT
記事内に広告が含まれています。

東京ディズニーリゾート(TDR)は年間2,500万人以上が訪れる、日本最大のテーマパークです。そのにぎわいの恩恵を受けているのは、夢の国の中だけではありません。周辺に建ち並ぶ「オフィシャルホテル」もまた、TDRの集客力を背景にした安定需要を享受する有力資産です。

そして実は、これらのオフィシャルホテルの多くはJ-REIT(上場不動産投資信託)が保有しており、個人投資家でも証券口座があれば「間接的にディズニーホテルに投資する」ことができます。

今回は、舞浜エリアのオフィシャルホテルを保有・投資しているJ-REIT 4本を徹底比較します。


そもそもJ-REITとは?

J-REITは、投資家から集めた資金でビルやホテルなどの不動産を購入・運用し、その収益を分配する上場ファンドです。少額(数万円〜)から投資でき、プロの運用チームが不動産管理を担ってくれるのが魅力。ホテルREITは稼働率・客室単価(ADR)が分配金に直結するため、観光需要の回復局面では特に注目される投資先です。


舞浜オフィシャルホテルを保有するJ-REIT 4選

舞浜エリアのディズニーオフィシャルホテルは全8棟(2026年4月現在)。そのうちJ-REITが関与する主な4棟を、保有REIT別に整理しました。

ホテル区分保有REIT証券コード
ヒルトン東京ベイオフィシャルジャパン・ホテル・リート8985
舞浜ビューホテル by HULICオフィシャルヒューリックリート3295
東京ベイ舞浜ホテル ファーストリゾートオフィシャルオリックス不動産投資法人8954
シェラトン・グランデ・トーキョーベイオフィシャルインヴィンシブル投資法人8963
ホテルマイステイズ舞浜パートナーインヴィンシブル投資法人8963

※ インヴィンシブルは2ホテルに関与(シェラトンは優先出資証券、マイステイズは直接保有)


① ジャパン・ホテル・リート投資法人(8985)×「ヒルトン東京ベイ」

ホテル概要

舞浜オフィシャルホテルの中でも最大規模を誇る828室の大型フルサービスホテル。ヒルトンブランドの国際的知名度とTDLへの直通バス(無料)という立地優位性を兼ね備えた、エリアの顔的存在です。

REITとしての特徴

ジャパン・ホテル・リート(JHR)は日本最大のホテル特化型REITで、東京・大阪・京都など主要観光地のホテルを全国に50棟超保有しています。

ヒルトン東京ベイは2013年に取得価格260億円超でポートフォリオに組み込まれ、その後の地価・宿泊単価の上昇を受けて直近の鑑定評価額は428億円まで上昇。含み益は約167億円(+64%)に達しており、JHRポートフォリオの中でも特に高い資産価値向上を実現した物件のひとつです。

注目の財務指標

  • NOI(年間純収益):約22.8億円
  • NOI利回り(取得価格対比)8.8% ← 当初取得価格から大幅改善
  • 鑑定CAPレート:4.1%
  • 賃料形態:固定賃料+変動賃料

NOI利回り8.8%というのは、取得から10年以上かけて賃料が積み上がった結果です。固定賃料契約のため運営KPI(稼働率・ADR)は非開示ですが、鑑定評価額の上昇がパフォーマンスを裏付けています。

こんな投資家に向いている

ホテル特化型REITで分散投資したい方、含み益の大きな優良資産を保有するREITを探している方。


② ヒューリックリート投資法人(3295)×「舞浜ビューホテル by HULIC」

ホテル概要

2025年10月1日、「東京ベイ舞浜ホテル」から「舞浜ビューホテル by HULIC」にリブランドされた267室のオフィシャルホテル。1989年開業の歴史ある施設が、ヒューリックグループのもとで新たな姿に生まれ変わりました。

REITとしての特徴

ヒューリックリート(証券コード:3295)は、東京都心部の商業施設・オフィスビル・ホテルを中心に投資する総合型REITです。2024年の取得により、舞浜エリアの大型ホテルをポートフォリオに加えました。

取得価格は非公表ですが、リブランドとリノベーションによるバリューアップ戦略が期待されます。「HULIC」ブランドを前面に出したホテル名変更は、ヒューリックグループのホテル事業との連携を意識した動きと見られます。

注目ポイント

  • 2024年取得・2025年リブランドというフレッシュな物件
  • ヒューリックグループによる運営強化(ヒューリックホテルマネジメントが管理)
  • 267室のコンパクトさを生かした稼働率重視の運営が期待される

財務データや運営KPIの詳細は今後の決算説明資料での開示が待たれます。

こんな投資家に向いている

バリューアップ中の物件に投資したい方、ヒューリックグループへのエクスポージャーを求める方。


③ オリックス不動産投資法人(8954)×「東京ベイ舞浜ホテル ファーストリゾート」

ホテル概要

旧称「サンルートプラザ東京」から現在の名称に変わった281室のオフィシャルホテル。東急ホテルズが運営する中規模フルサービス型で、ファミリー層を中心に高い人気を誇ります。

REITとしての特徴

オリックス不動産投資法人(8954)は、オフィス・商業・物流・ホテルなどに幅広く投資する大型総合型REIT(時価総額1兆円超)です。舞浜のファーストリゾートは2017年に取得価格268億円でポートフォリオに組み込まれました。

ホテル特化型REITと異なり、オリックスJREITはポートフォリオ全体の安定性を重視するため、個別ホテルの運営KPIは非開示となっています。ただし、大型総合型REITならではの低いボラティリティと安定した分配金が魅力です。

注目の財務指標

  • 取得価格:268億円(2017年取得)
  • 運営KPI:非開示(総合型REITの方針)
  • 分配金利回り:ポートフォリオ全体での安定分配

こんな投資家に向いている

安定重視でホテルへの分散も欲しい方、大型総合型REITを好む方。


④ インヴィンシブル投資法人(8963)×「シェラトン・グランデ・トーキョーベイ」「ホテルマイステイズ舞浜」

ホテル概要(2物件)

インヴィンシブルは舞浜エリアで2つの形で関与している、ユニークな投資法人です。

● シェラトン・グランデ・トーキョーベイ(802室)
世界的ブランド「マリオット・インターナショナル(シェラトン)」が運営する大型フルサービスホテル。インヴィンシブルはホテルを裏付けとした優先出資証券という形で投資しています(直接所有ではなく、ファンド持分への投資スキーム)。

● ホテルマイステイズ舞浜(250室)
舞浜駅徒歩圏のパートナーホテル(旧リゾートグレード)。インヴィンシブルが直接保有しており、物件コードD05として全ポートフォリオの月次KPIとともに公開されています。

REITとしての特徴

インヴィンシブル投資法人はホテル特化型REITとしてJ-REIT最多水準のホテル物件数を誇ります。最大の特徴は、全保有ホテルの月次KPI(稼働率・ADR・RevPAR)をポートフォリオページで無償公開していること。J-REIT業界でも最高水準の情報透明性を誇ります。

D05(ホテルマイステイズ舞浜)の直近KPI実績

インヴィンシブルが公開している月次データから、2年間の四半期別推移をまとめました。

四半期RevPAR稼働率ADR
2024 Q123,984円96.6%24,806円
2024 Q221,619円96.8%22,325円
2024 Q321,892円96.4%22,715円
2024 Q431,615円96.7%32,706円
2025 Q127,368円96.6%28,352円
2025 Q224,739円94.8%26,066円
2025 Q320,293円95.2%21,296円
2025 Q432,776円95.8%34,168円

稼働率は全期間を通じて94〜97%台を維持。2025Q4のRevPARは32,776円と過去最高水準を更新しており、TDL集客力に支えられた需要の底堅さが数字で確認できます。


4本を横並び比較

比較軸JHR(8985)ヒューリックR(3295)オリックスJR(8954)インヴィンシブル(8963)
ホテルヒルトン東京ベイ舞浜ビューホテルファーストリゾートシェラトン(優先出資)+マイステイズ(直接)
客室数828室267室281室802室 + 250室
REIT種別ホテル特化型総合型総合型ホテル特化型
KPI開示非開示非開示(取得直後)非開示月次開示(直接保有分)
含み益+約167億円未公表未公表未公表
NOI利回り8.8%(取得価格対比)未公表未公表未公表
情報透明性高(全ホテルKPI公開)

投資する際の3つのポイント

① ホテル特化型 vs 総合型:目的に合わせて選ぶ

JHRやインヴィンシブルはホテル特化型のため、観光需要の回復局面ではパフォーマンスが高い一方、景気後退期には分配金が変動しやすい特徴があります。オリックスJREITやヒューリックリートは総合型のため、ホテル以外の資産が下支えになり、安定性はやや高め。

② 「ディズニー物件」はあくまで一部

どのREITも舞浜の物件はポートフォリオの一部にすぎません。REITへの投資はあくまでファンド全体への投資であり、特定のホテル物件だけに投資するわけではない点には注意が必要です。

③ KPI開示はインヴィンシブルが頭一つリード

個別ホテルの運営状況を数字で確認しながら投資判断したい方には、月次KPIを開示しているインヴィンシブルが最も「見える化」されています。ただし、シェラトン(優先出資証券)と直接保有のマイステイズ舞浜では情報の粒度が異なる点も覚えておきましょう。


まとめ:「ディズニー×不動産投資」はJ-REITで実現できる

夢の国・東京ディズニーリゾートへの投資は、個人がホテルを直接買わなくても、J-REITを通じて数万円から参加できます。4本のREITはそれぞれ異なる特徴を持つため、自分の投資スタイルに合った選択が可能です。

  • 含み益・高NOI利回りで実績を見たい → JHR(8985)
  • リブランドによるバリューアップに期待したい → ヒューリックリート(3295)
  • 大型総合型で安定分配を求めたい → オリックスJREIT(8954)
  • KPIデータで運営状況を確認しながら投資したい → インヴィンシブル(8963)

いずれも証券口座があればすぐに取引を開始できます。次の決算期には、舞浜エリアからどんな数字が出てくるか、ぜひ注目してみてください。


免責事項:本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品への投資を勧誘するものではありません。投資判断はご自身の責任において行い、必要に応じて専門家にご相談ください。各REITの財務データ・KPIは各投資法人の公開資料をもとに作成していますが、最新情報は各社IRページでご確認ください。


参考資料:ジャパン・ホテル・リート2025年12月期決算説明資料 / ヒューリックリート第23期資産運用報告書 / オリックス不動産投資法人資産運用報告書 / インヴィンシブル投資法人月次KPIデータ