― ディズニー投資の「季節性」をデータで読む ―
インヴィンシブル投資法人(8963)ポートフォリオ分析 ― 2025年1~12月データ
はじめに
東京ディズニーリゾート(TDR)といえば、夏休みや春休みがピークというイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。ところが、TDR周辺のオフィシャルホテルを保有するREITのデータを分析すると、意外な事実が浮かび上がります。
2025年データで検証:D05「ホテルマイステイズ舞浜」のRevPAR(客室収益力)は、夏のピークシーズンである7月(18,231円)より、秋冬の11月(36,384円)のほうが約2倍高い。
この記事では、インヴィンシブル投資法人(証券コード:8963)が保有する舞浜エリアのホテルデータをもとに、ホテル投資の「季節性」をわかりやすく解説します。
REIT投資が初めての方でも読めるよう、専門用語は丁寧に説明しています。ぜひ最後まで読んでみてください。
①ホテルKPIの基本:RevPAR・OCC・ADRとは?
ホテルREIT分析でよく使う指標を3つ紹介します。
| 用語 | 正式名称 | 意味 |
| RevPAR | Revenue Per Available Room(客室利用可能収益) | 1室あたりが稼ぎ出す平均収益。OCC × ADR で計算される、ホテル収益力の「総合スコア」 |
| OCC | Occupancy Rate(客室稼働率) | 全客室のうち何割が埋まっているかを示す指標。100%が満室 |
| ADR | Average Daily Rate(平均客室単価) | 実際に販売された客室1室あたりの平均価格 |
3つの中で最も重要なのがRevPAR(レブパー)です。RevPARは「稼働率×単価」の積で算出されるため、いくら客室が埋まっていても単価が低ければ数字は上がりません。逆に単価が高くても空室が多ければ下がります。ホテルの総合的な稼ぎ力を1つの数字で表すことができる万能指標です。
②データで見る! 7月より11月が2倍稼ぐ理由
まずはD05「ホテルマイステイズ舞浜」の2025年、月次KPIデータを確認してみましょう。
| 指標 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
| RevPAR(円) | 24,978 | 26,434 | 30,692 | 28,531 | 24,161 | 21,526 | 18,231 | 20,896 | 21,751 | 28,513 | 36,384 | 33,431 |
| OCC(%) | 96.9 | 96.7 | 96.1 | 96.7 | 93.4 | 94.3 | 92.5 | 97.2 | 95.9 | 94.1 | 96.3 | 97.1 |
| ADR(円) | 25,782 | 27,323 | 31,952 | 29,492 | 25,877 | 22,828 | 19,707 | 21,497 | 22,683 | 30,305 | 37,769 | 34,430 |
※ 出典:インヴィンシブル投資法人ポートフォリオページ 2025年実績データ
表を見て気づくことがありますか?OCC(稼働率)は通年で92~97%という驚異的な高水準を維持しており、夏の7月も92.5%と十分高い数値です。つまり、「夏は客が来ない」わけではありません。
RevPARの差は「稼働率」ではなく「ADR(単価)」が作り出している。
7月ADR:19,707円 vs 11月ADR:37,769円(+92%)
空室率はほぼ同じなのに、販売単価が倍近く違う。
なぜ11月の単価がここまで高いのでしょうか? いくつかの要因が考えられます。
- ディズニーの「ハロウィーン」イベント(9~10月)と「クリスマス」イベント(11~12月)が重なる繁忙期
- 夏は「ファミリー向けリーズナブルプラン」が多く、客層別に客室単価が変動しやすい
- 秋冬はインバウンド(訪日外国人)需要が増加し、より高単価な予約が増える傾向
③投資家が注目すべきポイント:稼働率の安定性
実は、REIT投資において「季節性」そのものよりも重要なのは、低い月でもどの程度の水準を維持できるか、という「底堅さ」です。
舞浜ホテルのOCCを見ると、最低でも7月の92.5%。一般的なビジネスホテルが80~85%程度であることを考えると、これは傑出した安定性です。
年間RevPAR:26,294円(全105物件中第4位)
年間OCC:95.6%(ポートフォリオ最高クラス)
最低月(7月)でも RevPAR 18,231円を確保
RevPARが月によって変動することは、収益が「不安定」なのではなく、「強いシーズン」と「普通のシーズン」の差があるということです。REITはホテルから賃料を受け取り、その賃料がREIT投資家への分配金の源泉となります。通年で高い稼働率を誇るホテルは、賃料収入の安定した源泉となります。
④インヴィンシブル投資法人(8963)とは?
インヴィンシブル投資法人(INV)は、ホテル・住宅に特化したJ-REITです。2025年時点で全国105物件のホテルを保有する国内最大級のホテルREITの一つです。
| 証券コード | 8963(東証プライム) |
| 資産規模 | ホテル105物件(2025年) |
| 投資対象 | 国内ホテル(都市型・リゾート)および一部海外物件 |
| D05の位置づけ | ホテルマイステイズ舞浜 ― ポートフォリオ内RevPAR第4位(全105物件中) |
⑤まとめ:季節性を理解してREIT投資の解像度を上げよう
今回のポイントを整理します。
- ホテルREIT分析の鍵はRevPAR(稼働率×単価)。OCC単体では収益力はわからない
- 舞浜の場合、夏も冬も「満室に近い」が、ADR(客室単価)の差が2倍近くある
- 7月が最低でもRevPAR 18,231円。通年安定した「底堅さ」がREIT投資家にとっての安心材料
- 11月・12月のディズニーイベント期は特需。年間で最も高い収益を稼ぎ出すタイミング
「ディズニーに投資する」という発想は、夢物語ではありません。
インヴィンシブル投資法人を通じて、舞浜の宿泊需要に乗ることができます。
次回は、「なぜ舞浜だけがポートフォリオ105物件の中で別格なのか?」を比較データで深掘りします。
【免責事項】本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘を意図するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。データは2025年実績値を使用しています。
